大多喜町 西畑歳時記4月

卯月

種蒔き

大体、四月下旬に天候の穏やかな日を選んで、芽出した籾を、二軒が一組となって苗代に蒔いた。露霜の降った朝等は素足での作業は辛かった。その後、昭和二十二年頃から、温床苗代に変わった。苗代の管理は日照、気温、水温等を勘案して、水のかけ引きをするので、なかなか難しく、時には苗腐れ病等も発生した。苗代の水口には歳神様のお飾りを田神様として祭り花を挿したりして苗の健全な育成を祈った。
しかし、天候不順の年は苗の育ちが悪かったり、時には不意の大雨で(ラジオはなく随って予報も聞けなかった)泥水が流れ込んだり、また或る年など日照が続き、苗代が
割れてしまうと大騒ぎになったこともある。

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つか坊と姉ちゃん