大多喜町 西畑歳時記12月

師走

お飾り作り

暮れになると、どこの家でも稲藁を使ってお飾りを作る。この藁は予め稲刈りの時にお飾り用として、丹念に乾燥しておいたものである。また、お飾りに付ける歯朶は雑木山の所々に群生していた。橙は村の雑貨店で売っていた。譲葉の木はもっている家は少なかったので、貰って間に合わせた。この組み合わせは、代々次第に譲る(橙・歯朶・譲る)という縁起からきていると言われている。

我が国では、神様はどこでも居られるということから、お飾りを祭る所も多かった。我が家では、まず、歳神様、仏様、天神様、鬼子母神様、恵比寿様、山神に祭り荒神様には、特別に舟形の物を祀った。家の外には松と竹を戸口の柱に三手飾り、その外、屋敷稲荷様、井戸神様、墓所、水神様、道祖神、田畑、農具、農具小屋まで松の枝と三手飾を吊った。なぜかお飾りを祀ることを「飾りを吊る」と言った。我が家では昔から日の善し悪しを問わずお飾り作りは二十五日と決めてあった。

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つか坊と姉ちゃん