大多喜町 西畑歳時記5月

皐月

凧揚げ

男の子達は凧揚げに興ずる。半紙三枚張りが普通で、大きいのでは五枚張りもあり、たいてい武者絵が描かれていて、村の雑貨店で売られていた。また、揚げるための紡績糸も売っていた。ただ、凧揚げをする場所がなかなか見つからなかった。水田は荒代を終え、満々と水が湛えられていて、誤ってそこへ落ちれば一貫の終わりとなってしまう。残っているのは、蓮華草田だけであるが、これを踏み荒らすと、地主に怒られるので、といっても適当な場所がないから、ついこの場所に入っては叱られたものである。

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つか坊と姉ちゃん