大多喜町 西畑歳時記11月

霜月

十六日 菩提寺のお会式

寺の重要な行事であるお会式は、菩提寺の浄円寺で毎年一六日に行われた。お会式というのは、開祖日蓮上人が遷化された弘安五年十月十三日を中心に報恩の為の法要が全国の日蓮宗の各寺院において行われている。上行寺が十七日、徳善寺が十八日にお会式が行われた。
お会式の前には、檀家の各戸から、餅米一升が集められ、前々日頃に寺世話人の三夫婦が寺に集まり餅を搗き、その中の大分を、孟宗竹を半分に割った中に詰めて、翌日取り出し、赤、黄、緑、紫等の食紅で丸い部分に色を付け、日蓮様の像の前に供え、翌日世話人が二センチ巾位に切り各檀家に七個ずつ配って歩いた。また、お会式前には、万灯の造花を作り細く割った竹に六・七個ずつ取り付け当日お堂に飾り、参列者に一本ずつ配った。当時はこの行事が三か寺で同じように行われたので、老人達がいる家では、三日もお会式に出席した。

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