大多喜町 西畑歳時記

1月(睦月)

四日 初会合

四日は地区の一番大事な集会の日であった。主人達は午後一時頃までに総代さんの家に集合する。そこで、一年間の地区のいろいろの行事や村役が決められる。

一、総代 一人 任期一年
二、組長 二人 任期一年
三、地区行事や会計報告
四、当年の地区行事の計画
五、常使いの指名(区長使者)
六、普通川土地改良区の水番希望者の申込みの受付等々

この中で最も重要なのは総代の改選で、選任されると、地区行事の全ての責任がその肩にかかる。葬儀の際の葬儀委員長、神社の祭礼、農休日の設定、道路や土橋等の補修工事、他地区との交際や協議事項、役場からの委託の事務や区民への伝達等の一切を取り仕切る役で忙しく、また、地区内の集会も全て総代宅を使用するので、自ずと自家の仕事にも支障を来すことが多かったので、この役は誰もなるべくならやりたくなかった。が、誰かがやらなければならない重要な役であった。
この選出の方法としては、大体、暗黙のうちに順番が決まっていたり、お年寄りの意見や組長の繰り上げで下話ができていたりしたが、一応選挙で行われた。その結果当選した者は否応なしに従わざるを得なかった。が、中にはなかなか素直に引き受けない者もいた。

当時西畑村は十三の行政区に分かれ、伊保田の一区から始まり、宇筒原、押沼、笛倉、小内は合わせて七区と言われ、一人の区長の下に各地区に一名の総代が置かれた。区長は総代の互選で選出し、村長の委嘱を受けた。

戦時中の当地区は十五戸で形成され、これを便宜上二つの組に分け、組長を一名ずつ置いた。組長の任務は総代と区民の中間に立って、役場や地区行事を組合員に伝達すること、大掃除検査の立会等組合内で起こったことを区長に報告する等であった。

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