大多喜町 西畑歳時記

1月(睦月)

七日 山神講

山神講は、一月七日と十二月七日の年二回行われる。この日はどんな都合があっても一切山に入ることは禁じられている。昔ある人がこの禁を犯して炭焼きに山に入り、大怪我をした等と言い伝えられていた。
この日は、普段山仕事をしない家の主人達もその日の当番の家に午後から集まり、ご本尊を下げお灯明やお線香と手作りの料理と榊を供え、みんなでお経を読み、これから始まる一年の山仕事の安全を祈念した。

山神は神様なのに日蓮宗のお題目を挙げる。一見不思議に感じるが、仏教の伝来に際し、それまであった神様と争いごとを起こすことなく、神仏習合の慣行ができ一切の混乱を起こさなかったのは、聖徳太子の優れた指導の賜物であると言われている。お題目が終わると酒宴が始まるが、この席での話題はほとんど山に関することで、製炭、薪つくり、伐採、植林や製品の搬出や販売等の経験談やこれからの計画等であって山仕事の経験をの少ない若い人たちにとっては、良い研修会でもあった。

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つか坊と姉ちゃん